これぞ仙台歴史ロマン★宮城の小京都「村田町」の史跡その2~白鳥神社【宮城歴史浪漫シリーズvol.38】

おでかけ

日本の第十二代景行天皇の息子である日本武尊(ヤマトタケルノミコト)を祀る。

古代日本の皇族で、一般的には「荒くれ皇子」として知られていますが、「古事記」と「日本書紀」ではその人物像の記述が大きく差があるようです。

今から約1700年も前の近畿地方(現奈良県あたり)の、ヤマト(大和)の国の皇子(西暦302~332年頃)です。

村田町が東北一の古墳の密集地であることからも、古代から大和朝廷との関係が見て取れますね。

白鳥神社は全国各地に鎮座しますが、宮城県内には九社もあります(東北では最多)。

神社は町中にあって、駐車場も整備されています。

 

荒川にかかる赤い橋を渡ると、古木が参道に覆いかぶさっていて、そこを潜り抜けるようにして境内へと進みます。

「奥州の蛇藤(じゃふじ)」推定樹齢800年。

身をかがめて蛇藤をもぐると右手に、推定樹齢3000年!のケヤキ。迫力ある佇まい、コブに圧倒されます。

そして今度は、石鳥居の先に行く手を阻むかのように松の木が倒れこんでいます。

ようやく本殿の前にくると、推定樹齢1000年以上のイチョウの古木。

この神社は、巨木群が鬱蒼としていることからも歴史の古さを知ることができます。ご神木は町指定の天然記念物になっています。

こちらの狛犬さんはとてもキュートです♪たれ耳で目がまんまる。微笑んだような口元。

右側の狛犬さんの頭部は、左の子を見つめるように向いています。

制作年が文化10年(1814)、江戸幕府第11代の徳川家斉の時代です。

そもそも狛犬は”想像上の生き物”ですが、こちらはもしかして、身近にいた実物の犬をモデルにしたのかな、と思わせるほどリアルに「犬」ですね^^

制作者の意図を妄想すると楽しくなってきますが、とてもめずらしいデザインではないでしょうか。

ヤマトタケル以降、中央の大和政権(4~7世紀半ば)は、陸奥国(今の東北地方)の先住民を蝦夷-エミシ(蔑称-朝廷に従わない民)と呼び、朝廷は北へと支配を広げていきます。これを「蝦夷征討」「蝦夷征伐」といいます。

平安時代になると、桓武天皇から征夷大将軍に命じられた坂上田村麻呂が、大軍と共に東北へ遠征します。

朝廷に服従しなかった東北地方の大きな勢力(指導者アテルイ率いる先住民達)との、激しい戦いが始まるのです。

この神社の古木たちは、東北がまだ未開の地だった古墳時代からの歴史を見守ってきたのです。

古代東北の「支配」という歴史的背景から見ていくうえでは、この愛嬌たっぷりの狛犬さんや、ご神木が境内の空気感を和らげてくれているのかもしれません。

これから数千年先まで、文献資料が乏しい古代の日本を語り継いでいくための、ここは貴重なスポットのひとつです。

 

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