心惹かれる麗しさ…名取にて熊野詣~熊野本宮社~【名取市】

おでかけ

こんにちは!こはくです。

今回はいよいよ最後となりました、名取熊野三山から『熊野本宮社』をご紹介します。

名取熊野三山とは

全国に3000社以上ある熊野神社のうちおよそ700社が東北地方に存在するが、その東北の熊野信仰の中心的存在にあったのが名取熊野三社である。

仙台湾を熊野灘、名取川を熊野川、高舘丘陵を熊野連山に模し、本宮・新宮・那智の三社が他の地域とは異なりそれぞれ別に勧請されている。

紀伊熊野の三社それぞれを地理的・方角的に同様にセット状態で勧請しているのは非常に珍しく、全国の熊野神社の中でもここだけであるとされる。

(引用元:Wikipedia

☆一社目『熊野神社』はコチラ
まるで時代絵巻!名取にて神々しい熊野詣~熊野神社~

☆二社目『熊野那智神社』はコチラ
街の風景までも神域のよう…名取にて熊野詣~熊野那智神社~

神社名:熊野本宮社(くまのほんぐうしゃ)
電話番号:022‐386-2353
住所:名取市高舘熊野堂字五反田34
参考:名取市観光物産協会 宮城県神社庁

<電車>
名取駅より乗合バスなとりん号「那智が丘入口」下車 徒歩約15分
<車>
東北自動車道 仙台南ICより約20分
仙台南部道路 山田ICより約20分

 

鳥居手前にある駐車場に車を停めて、鳥居をくぐり道なりに参道を進みます。

これぞ本宮社の風格というものでしょうか。見えてきた拝殿に背筋が伸びます。先に参拝した他の二社とはまた違う落ち着いた雰囲気。

手水舎で手をお清め。どことなく熊野神社さんの手水舎に似ているな…と思いました。


まるで時代絵巻!名取にて神々しい熊野詣~熊野神社~

こちらの橋の下に流れる「音無川」は紀伊熊野三山「熊野本宮大社」の傍を流れる川に見立てたものだそうです。

拝殿です。名取熊野三社の中では一番、狛犬さんが目立ちますね。

熊野本宮社ご祭神

本祭神は熊野櫛御家都御子大神、熊野牟須美大神、熊野速玉之男大神を主祭神とし、他に11柱神を配祀する。

(引用元:Wikipedia

この角度から見る拝殿に気高さすら感じ、心惹かれました。

熊野本宮社について

熊野本宮社は紀州(和歌山県)の熊野本宮大社の大神様の御霊が分けいただいてお祀りした神社で、名取老女が紀州の熊野三社の御霊を名取の里に勧請したと言い伝えられる名取の熊野三社(熊野本宮社・熊野新宮社・熊野那智神社)の一社。

勧請された年代は詳らかではない。
名取郡長岡三色吉(現、岩沼市)に小祠を建てお祀りしていたが、平安時代の天仁年間(1108年)神託によって、熊野坐大神の鎮り処に応しい場所を探し求め、霊烏の道案内で、熊野堂の地に辿り着いた。

名取川を紀州熊野の熊野川に見立て、地形も似ている現社地の南西200メートル程の小館(オダテ)という処に最終的に勧請されたのは、平安時代の保安元年(1120年)4月8日と伝えられています。

(引用元:宮城県神社庁

以前は現在地と違う場所だったんですね。

源頼朝公と伊達家

源頼朝が奥州平泉東征をする際、当社に武運を祈願し軍に赴き霊験あらたかな様を覚え、文治5年(1189年)9月再び詣でて深く謝拝したと伝えられている。

それ以来武家諸公の崇敬が篤く、永禄6年(1563年)12月、奥州探題伊達晴宗より熊野本宮本殿屋根葺替並びに神輿、神馬、馬具等が奉納されている。

(引用元:Wikipedia

こちらにも熊野神社同様、奥州合戦の際には源頼朝公が熊野本宮社に立ち寄られ武運を祈られたのですね。そして、無事に勝利を収めることが出来たことからお礼参りに再び参詣に訪れたという逸話が残ります。

奥州探題(おうしゅうたんだい)=室町時代から戦国時代にかけて置かれた室町幕府の役職の一つ。守護に代わって設置された。奥州とは一般的に陸奥(青森、岩手、宮城、福島)を指します。

また、伊達晴宗(だてはるむね)公は伊達政宗公の祖父にあたります。

拝殿横にあるこちらはお神輿が納められているそうです。

明治維新までは、伊達家より寄進、警護を受けて、北釜浜迄、神輿渡御を行っていた。

(引用元:宮城県神社庁

伊達家に警護されるって凄いですよね!!想像するだけでドキドキしてしまいます。さぞ圧巻だったんでしょうね…。北釜浜とは名取市下増田辺りのことです。

この神輿渡御(みこしとぎょ)と合わせて、当時は流鏑馬(やぶさめ)も行われていたそうです。風流ですね。

熊野十二神鹿踊

現在地には万治元年(1658年)に遷座。

現在では500年前に山伏から伝えられたという、 市指定無形民俗文化財である『熊野十二神鹿踊』は、踊り手は世襲制で引き継がれています。

・春例祭: 4月第3日曜日頃
・秋例祭:10月第1日曜日頃

(引用元:名取市観光物産協会

熊野堂十二神鹿踊=くまのどうじゅうにじんししおどり

春と秋、季節の良い時期ですね。今の季節とはまた違うであろう熊野本宮社の雰囲気と共にぜひ見てみたい…!

御朱印

御朱印は境内を入った右側の建物で、書置き(記入済みのもの)をいただけます。初穂料300円。小銭を準備して行かれると安心ですね。

最後に名取熊野三社の由緒についてご紹介します。

名取熊野三社と名取老女

名取の地に熊野三社を勧請したのは“名取老女”と言われています。昔、名取には毎年紀州熊野に参詣する巫女がいました。しかし年老いて参拝できなくなり付近に小さな熊野三社を建てお参りしていました。

ある日、一人の山伏が老女を訪ねてきて「自分は奥州巡遊を志し、旅の安全祈願のため紀州熊野権現へ参拝して一夜のお篭をしたところ、「名取の老女を訪ねよ」というお告げがあり、目覚めると枕もとには、『みちとおし としもいつしかおいにけり おもいおこせよ われもわすれじ』と虫食いで記された一枚の梛(なぎ)の葉があったため持参した。」と話して、老女にその梛の葉を渡しました。

名取の老女はたいへん感激し、自分が建てて毎日お参りしていた小社に山伏を案内したことで老女の信心深い徳が広がり、保安年間(1120年代)現在の地に熊野三社が勧請されました。

(引用元:名取市観光物産協会

こちらの熊野本宮社さんにはとても神秘的なものを感じました。

同じ「名取熊野三社」である『熊野神社』『熊野那智神社』の二社とは異なる、華やかさとはまた違う麗しさ。歴史を知れば知るほど、名取老女さんや源頼朝公、そして伊達家の深い信仰心が時を越え伝わってくるようです。

ぜひ皆さんも参拝に訪れてみてくださいね。

神々しい…!

神社名:熊野本宮社(くまのほんぐうしゃ)
電話番号:022‐386-2353
住所:名取市高舘熊野堂字五反田34
参考:名取市観光物産協会 宮城県神社庁

<電車>
名取駅より乗合バスなとりん号「那智が丘入口」下車 徒歩約15分
<車>
東北自動車道 仙台南ICより約20分
仙台南部道路 山田ICより約20分