こんにちは!こはくです。
宮城といえばコレ!という美味しいもの、お土産には何を思い浮かべますか?
食材王国といわれるだけに、様々なものが思い浮かびますよね。
中でも今回はこはくが全力でおすすめ!松島にあります「紅蓮屋 心月庵」さんの『松島こうれん』をご紹介します。
風がぴゅーぴゅー吹いていて、のれんが…
店名:紅蓮屋 心月庵(こうれんや しんげつあん)
電話番号:022-354-2605
住所:宮城県宮城郡松島町松島字町内82
営業時間:8:30~18:00
定休日:火曜日(祝日の場合は水曜日)・年末年始
参考:ホームページ 食べログ
<電車>
JR仙石線「松島海岸駅」より徒歩約5分
<車>
三陸自動車道「松島海岸IC」より約6分
割烹料理のお店のような、風格漂う店構え。
松島こうれんについて
創業嘉暦二年(1327年)一子相伝にて23代に渡り伝え続けてきた製法で 宮城県産ササニシキを原料に熟練の職人が、一枚一枚心を込めて手焼きにて 焼き上げた無添加の銘菓です。
現在では日本三景松島の名物として広く皆様に親しまれております。 2013年観光庁主催の「世界にも通用する究極のお土産」に認定されました。
(引用元:ホームページ)
建物は新しく見えますが創業は嘉暦2年(1327年)という想像を絶する老舗中の老舗。鎌倉時代末期あたりです!
一子相伝(いっしそうでん)とは自分の子一人だけに伝えることで、その子以外の他の者には秘密にします。兄弟が何人いても、です。そして「相伝」とは代々伝えることを言います。
お店は少し路地に入っているので、国道45号線沿いに立つ「寺町小路」という大きな看板を目印にするとわかりやすいかもしれません(こちらのお写真は菓匠三全さんと阿部かまさんが並ぶ店舗駐車場から撮影しています)
紅蓮屋さんの店舗前に駐車場もありますが、わたしは近くのコインパーキングに駐車しました。
一歩足を踏み入れた店内はとても静かで、思わず背筋が伸びるような素敵な雰囲気。暖簾の向こう側に奥行きが感じられましたので、そちらで製造されているのでしょうか。
すぐにお店の方が出てきてくださり「ご試食どうぞ」とおっしゃっていただいたので、それぞれいただきました。
プレーンから順番に全ていただき、どれも本当に美味しかったのですが…わたしは最初から決めていたのでそちらを購入しました♡
注文して待っている間にお店の中を拝見させていだいていたのですが、時を忘れてしまいそうなほど本当に落ち着く店内。日本人だからなのでしょうか。歴史の重みすら感じます。
ばら売りはプレーンの上白糖のみ、他は箱入り詰め合わせが色々ありました。
真ん中にお座りなのがこちらの『松島こうれん』のお菓子が生まれた由来でもある、鎌倉時代に実在した女性「紅蓮尼」様かと思います。
松島こうれんと「紅蓮尼」物語
昔、この近くに掃部という富豪が住んでいました。
夫婦が子宝に恵まれぬ悲しさから、観音さまのお慈悲にすがり子供をお授け下さいますよう毎日毎夜、祈願を続けていますと、やがて男の子が生れ、小太郎と名づけました。
両親のあふるる慈愛に育つ小太郎は、姿かたちが輝かしくも麗しく、遊びごとはいつも風流、しかも観音さまを深く信仰して、御堂の前に一本の梅の若木を植えました。これが軒端の梅と呼ばれたものです。
小太郎が十五の歳を迎えた初、父の掃部は西国三十三観音巡礼の旅に出かけました。その道中で出羽(秋田県)象潟の商人と親しい道づれとなり、白河(福島県)で別れるにあたり「できることなら親戚の関係を結んでご交際を続けたい」と二人の間に小太郎と商人の娘との婚約が整いました。
掃部が霊場巡拝の長い旅から帰って見ると小太郎は、ふとした病がもとで亡くなったというのです。
夫婦は互に涙の枯れるまで泣き悲しみました。そうした不幸な出来事を夢にも知る由のない象潟から、はるばる娘(谷)をつれて松島にやって来ました。
その綺麗に飾った花嫁姿を見て、夫婦はさらに涙を新にしたのです。ある時軒端の梅の花ざかりを見て、夫の遺愛を憶い”植え置きし花の主ははかなきに軒端の梅は咲かずともあれ“と恨みの歌を詠んで枝に結び付けたところ、次の年、花は咲かなかった。
紅蓮尼はその枝を眺め、おどろきにたえかねて、”咲けかしな今は主とながむべし軒端の梅のあらんかぎりは“と詠んで枝に結ぶと、翌春からもとのように花開き、芳ばしい香をただよわしたと伝説は物語っています。
事実、紅蓮尼は、日本女性の鑑としてお参拝する人達がたえない。その庵を心月庵といいました。
観音様に参拝の人達がお供えした米を尼は粉にして煎餅を焼いて村の人々に施したと申します。
その後、誰言うともなく「松島こうれん」と言われ、人から人に、今も尚、星家(旧姓:蜂谷)によって製造され日本三景松島唯一の名物として広く販売され皆さんに喜ばれております。旧藩主時代には瑞厳寺から毎年国守に献上する習わしになっていました。
鈴木寅之助 記(引用元:ホームページ)
谷という女性が嫁入りのためにはるばる象潟からやってきた松島。着いた頃には夫となるはずの小太郎は病で他界していたものの、そのまま象潟に戻らず小太郎の両親と共に松島で暮らしました。
その後「紅蓮尼(こうれんに)」の名で松島で生涯を送り、結んだ庵の観音さまに供えられたお米を使って、紅蓮尼様が作られたお菓子が「松島こうれん」の由来なんですね。
今回わたしが購入した『松島こうれん』箱も素敵です。
製造日を見ると、お店へ伺った日でした。賞味期限が長いことにも驚きです。
原材料も宮城県産ササニシキ・上白糖・食塩とシンプル。無添加ですので赤ちゃんにも安心ですね。
今回はプレーン(上白糖)10枚入りを購入しようと決めていました。
箱も袋も素敵です。中には松島こうれんについてのパンフレットも。
やっと出会えたことに嬉しすぎて、持ってもパチリ。
裏には紅蓮尼様の和歌が二首。
◎植え置きし花の主ははかなきに軒端の梅は咲かずともあれ
◎咲けかしな今は主とながむべし軒端の梅のあらんかぎりは
軒端の梅は夫になるはずだった、小太郎が植えた木。
先ほどご紹介した、松島こうれんの由来と物語を知ってから読むと紅蓮尼様のその想いに感じるものが全然違いますよね。
この世で夫と一緒に添うことが出来なかった紅蓮尼様を偲んで…なのでしょうか、1つの包装に2枚入っています。
1枚1枚手焼きで焼かれているのね、と思うとすぐにいただくのがもったいない気持ちで何度も眺めてしまいました。
匠の技。羽のようにかるいお菓子で、口の中に入れるとじゅわっととけてしまうような繊細さ。そしてお米の甘味が口いっぱいに広がります。
このお菓子が生まれた由来、造り手さんの想いやこだわり、過程を知った後だとその分も美味しさに変わるようです。
ついつい次々手が伸び、さくさくむしゃむしゃ食べてしまいそうで危険…さっきまでのありがたいものをいただくような気持ちはどこへ。
わたしも『松島こうれん』を知ったのは割と最近なのですが、わたしの周りの宮城県民の方々はどなたも知らなかった衝撃。
宮城県の方はもちろん、全ての方にこの繊細で上品な美味しさを知って味わっていただきたいです。
仙台駅でも購入できるようですが、ぜひ松島観光で想いも共に感じていただけたらなと思います。
ご自宅用はもちろん、お土産にも贈り物にも喜ばれるのではないでしょうか。一部は通信販売もされているようなので宮城県まで来られない方も、お店のホームページからご利用くださいね。
よろしければ、と和三盆糖の松島こうれんをいただきました♡こういうやり取りもお店での購入ならではですよね。お気持ちが大変嬉しかったです。
店名:紅蓮屋 心月庵(こうれんや しんげつあん)
電話番号:022-354-2605
住所:宮城県宮城郡松島町松島字町内82
営業時間:8:30~18:00
定休日:火曜日(祝日の場合は水曜日)・年末年始
参考:ホームページ 食べログ