いつもふらりと訪れる国分町を、今日はこの店に行くと心に決めて訪れた。
「マグロ料理で定評のある大人の隠れ家」
ガイドマップの一文をドキドキしながら眺める。今までマグロと言えば寿司という認識しかない私が訪れても大丈夫なのか少し不安も携えながら煌びやかなネオンの中を進んだ。しかも大人の隠れ家だ。
もうとっくに大人の年齢になっている私だが未だ落ち着きの無さは健在で、果たして大人のお店に馴染めるのか甚だ不安なのである。
しかしその不安は杞憂に終わる事になる。
「鮪菜酒酎 てなんご」
そのお店は常連に愛されるとても居心地の良いお店だったのだ。
店名:鮪菜酒酎 てなんご
住所:仙台市青葉区国分町2-12-12 千代田ビル2F
電話番号:022-222-3033
営業時間:17:00~1:00
定休日:日曜日
参考:Twitter
ここで良いのだろうかとちょっと戸惑うところにお店はあった。意を決して入ると入り口近くにボックス席が1つ。奥にカウンターとさらにテーブル席があった。1人である事を告げるとカウンターに促される。どうやら私が今宵の1番客のようだ。
日本酒のメニューをお願いしたら手書きの板書がやってきた。その日その日でおススメと地酒はラインナップが違うらしい。
秋田日の丸醸造「うまからまんさくひやおろし」
うまからまんさくは食事に合う事を前提に作られたうまみのある辛口の日本酒である。その中でもひやおろしは通常よりも濃い口に仕上がっており、実りの秋の食材に調和する深い味わいが特徴だ。
鮪菜酒酎の名においてまぐろは外せないだろう。珍しい部位も豊富で目移りしてしまう。
刺身盛り合せを頼もうかとも思うが基本は1人飲み、食べきれないくらいきてしまっては困る。
それでも店員さんは嫌な顔ひとつ見せずに受けてくれてよい店だなぁと嬉しくなる。
(※状況によっては受けられない事もあると思います。お互い気持ちよく過ごせる注文をしましょう)
魚は決まったので、さっと出てきそうな豆富(豆腐じゃなくて豆富)から宮城シロメ豆富を選択。
他には……出し巻玉子にしようと思ったが、どこへ行っても出し巻玉子を頼んでいるのでここは考えるのを放棄。
店員さんが親切なのを良い事に、野菜でのおススメの料理をきいてみた。
もちろんおススメをそのままお願いした。
店内は至るところにサインが飾られていて有名人が多く来店しているようだ。カウンターには1台テレビが設置してあって、本日はラグビー中継を放送中。きっとシーズンの時は楽天戦で賑わうのであろう。
そう思いながら猪口を傾けていると、意外にもまぐろの刺身盛り合せが最初にやってきた。
まぐろ刺身盛り合せ。
本来ならば3切れずつのところを1切れずつにしてもらったので見た目は少し寂しい。しかしこれなら1人で訪れても色々楽しめることができるので最高だ。親切な店主さんに感謝しながらいただく。
部位ごとに色々な顔を見せるマグロはねっとりと濃厚であったり、脂が乗っているのにすっきりとした後味であったりと様々だ。特に中トロは程よくとろける脂と赤身の旨味のバランスが良い。もちろん日本酒ととても合う、一切れずつにしたのをちょっと後悔したが、後を引くくらいがちょうど良いと自分に言い聞かせる。
宮城シロメ豆富。豊富な薬味と共にやってきた。
宮城シロメはしっかりとした甘みがあるキレイな豆で、他の豆と比べると糖分とたんぱく質のバランスに優れているのが特徴。だからこそ豆腐にした時にも甘みが出て美味しいと言われている。
そんな豆腐をまずはそのままで楽しむ。
大豆の旨味がしっかりとしていてそれだけでも美味しいのだが、薬味を加えさらに味の変化を楽しんだ。
仙台ほうれん草とベーコンサラダ。
これは文句なしにほうれん草が美味しい。シュウ酸由来の独特な苦みもなく、ベーコンの塩気や油と相まって非常に箸が進んだ。これはシーズンのうちにもう1度食べたいくらい気に入った。
突き出し。私が訪れた時はまだ仕込み途中だったらしく、今になって登場。
ここまでくれば自然と猪口は空になるので、次を頼む。
岩手赤武酒造「AKABU純米ひやおろし」
さわやかでキレのある日本酒で、こちらも実りの秋に合わせて食事をさらに美味しくいただく事を目指して作られた「癒しの食中酒」だ。
程よく話題を提供してくれる店員さんと楽しく過ごしていたら、いつの間にかおひとりさまでカウンターが埋まってしまった。大半の人は常連らしく「久しぶり」等と挨拶が聞こえる。確かにこの居心地の良さ、常連になるのも納得だ。
生つくね焼盛り合せ。
混んできたのでお暇体制になりつつも最後に肉をと注文。手前からノーマル、紫蘇、チーズ、一味、タレの5種類の味が楽しめる。どれもふわふわで柔らかく中からじわじわと旨味があふれてくる。
ノーマルで基本を抑え、紫蘇のさっぱりとした感じを味わい、中までチーズたっぷりの濃厚さに喜び、一味は思った以上に辛くてびっくりしたりと、とても楽しくいただけた。
親切な店主さんの気遣いと気さくな店員さん、そしてお店を愛する常連さんとの会話はプライスレス。帰り際に常連さんの1人と一緒にエレベーターに乗ったのだが、どうぞご贔屓にと声をかけられた。
それくらいに常連に愛される店だからこそ、隠れ家的場所で長く続けていられるのだろう。私もかなり気に入ってしまった。近いうちに再訪したい。
店名:鮪菜酒酎 てなんご
住所:仙台市青葉区国分町2-12-12 千代田ビル2F
電話番号:022-222-3033
営業時間:17:00~1:00
定休日:日曜日
参考:Twitter