ラーメンを食べたいと思った時、人は既にラーメンを食べ終えている。
美味しいラーメン屋と言えば行列がつきものである。
宮城県では現在750軒ほどのラーメン屋があるが有名店は平日でも人が列を成している。他県からも美味しいラーメンを求めてやってくる人も多く、土日となればその行列はさらに長く長く伸びていく。
美味しいラーメンが食べたい。
それは人が誰しも思う事であろう。皆美味しいラーメンが食べたいからこそ、それを求め列を成すのだ。しかし私は並ばずに美味しいラーメンが食べたいのである。
我儘と言われればそうだが、しかしこれは切なる願いでもある、私は暑さに弱い。今年は5回点滴を受けたレベルで暑さに弱い。長時間列に並ぶのは物理的に無理なのだ。ならばすでに人気の店は諦めよう、これから人気になる店を探せば良いのだ。
店名：麺屋一期
住所：仙台市青葉区一番町3丁目7-1 電力ビルB1
電話番号：022-398-8958
営業時間：11時～20時
参考：Twitter
今年5月にオープンした「麺屋一期」ラーメン通の知り合いに教えてもらった現在でも人気だがかろうじて列を成さなくとも入れるラーメン屋である。曰く仙台ではあまり見ない方向性のラーメンだそう。
謳い文句は無化調自家製麺の健康志向系ラーメン！
確かにラーメン屋で健康志向をあげる店は仙台には少ない。
券売機。
よく見れば和え玉にほうれん草麺orトマト麺と書かれている。おいおいここはサラダ屋か。健康志向系にビビりつつも品定め。
初めての時はスタンダードが鉄則、鶏とえび出汁の塩そばをポチっとな。
店内は最近流行りのラーメン屋同様シックでオシャレ。女性客でも入りやすいようにとの配慮もあるが逆に油ぎった町の中華屋に慣れた身としては気後れしてしまう。こういう場所にもスッと入れるような大人になりたいものだ。
鶏と海老だしの塩そば。
レモンが入っていると反射的に一休を思い出してしまう。
ビジュアルは最高。透明なスープに麺の緑、レモンの黄色と海老ソースの赤色と芸術的。なんとも美しいラーメンだ。
透き通ってキラキラ輝くスープは塩気が強め、思った以上にあっさりとしていてこれは好みが分かれる味かもしれない。
海老ソースを溶かすと海老の風味とコクが増して風味が一変。この海老ソースとレモンを絞ることで味の変化を楽しめるようだ。
麺は自家製でストレートパッツンの清楚系。ほうれん草を練りこんでいて緑色、そこは無化調の自家製麺、健康志向系ラーメンを謳うだけの事はある。ただやはりほうれん草の味であったり香りであったりを盛り込むのは難しいらしく、食べる分にはただの緑色の麺である。
時々、仄かに遠くのほうからほうれん草が叫んでいるような気がするが、正直なところ事前知識無しで食べてほうれん草を当てる事ができるかどうかと聞かれると難易度は高い。
しかし常に野菜不足な現代において、少しでも野菜を摂取しているという事は罪悪感が薄れるし、味はせずとも栄養はとれていると思うと嬉しい話だ。
穂先メンマは複数入っているのかと思いきや長いのが一本。食べるのが少し大変だったが味は〇
チャーシューは鶏の2種類。食感が異なっていてこれは面白い。低温調理の柔らかな食感と親鶏のコリコリした食感、2つ同時に味わえるのは贅沢だ。
本来ジャンクであるラーメンをここまで美しく健康的に仕上げているのは純粋にすごい。今流行りの中華そば系と一蹴したくなるところを、個性で一線を画している。
店内の雰囲気に加えデザートに色味が愛らしい杏仁豆腐があったりと、場所柄もあり女性客を意識しているように感じた。だからと言って男性客が入りにくいという事もなく、その辺りはかなり洗練されているようだ。
唯一残念だなぁと思ったのがお冷がレモン入りである点。スープが若干塩辛かったので水が飲みたかったのだが、レモン水だったために口の中で大ゲンカ。カフェでのレモン水はキュンとするがラーメン屋ではただの水が欲しいと個人的には思う。
今回は初という事でスタンダードなメニューを頂いたが、夜限定でカルボナーラがあったり、9月からは鴨カレーらーめんが加わったりと、麺屋一期さんは新しい試みには積極的のよう。Twitterで新商品情報が提供されるので追いかけたくなるが、塩そばのスープ同様、試みの方向性は好みが分かれるところかもしれない。
ちなみに私はかろうじて並ばずにラーメンにありつけたが、ランチ時やイベントが開催されている日時はかなり混雑+行列になるらしい。並ぶのが苦手な方は時間をずらしての訪問がおススメ。ただ電力ビル内なので暑さ寒さに晒されることなく待つことができるので、並んでいてもお行儀よく待って味わってほしい一杯。
店名：麺屋一期
住所：仙台市青葉区一番町3丁目7-1 電力ビルB1
電話番号：022-398-8958
営業時間：11時～20時
参考：Twitter
