いつもならばその辺りで餃子と担々麺 吟や牛たん若でそそくさ昼を済ますのだが、今日はもう少しだけ遠出をしたくなった。
遠出と言っても徒歩5分、しかし昼時分には充分に冒険な時間だ。
店名:しぶき亭 東口本店
住所:仙台市宮城野区名掛丁206-17 アリビオサイ 1F
電話番号:022-353-6155
営業時間:10:30~15:00
定休日:日曜日・祝日
参考:食べログ
仙台駅東口からは徒歩約6分。去年の12月にオープンしたしぶき亭は元々苦竹にある仙台では老舗のかつ丼屋である。あまりの人気で昼の行列はもちろんのこと、駐車場を整理する人員までいるそうだから驚きである。
品書きはかつ丼を中心にからあげ丼やえび丼等といったものもあった。他にも数量限定のソースかつ丼等、気になる丼系が並ぶ。
とりあえず着席と同時にかつ丼を注文。感じの良い店員さんが荷物入れとお冷を持ってきてくれた。
こちらの売りは「舌の温度でとろける究極の豚肉」その名は32℃豚。
あまり馴染みの無い豚だが宮城の高清水養豚組合で育てているそうだ。普通の豚の脂の融点が38℃なので、そのすごさがわかるだろう。通常の豚が口の中に入れた時からじわじわと溶け出すのに対してこの豚は口の中に入れた瞬間にさらりと溶け出すらしい。
店内は圧倒的に男性が多いが、ちらほら女性の姿もある。昼のみの営業なので基本は近隣のサラリーマンがメイン客層らしい。私が帰るまで何組ものサラリーマンと思われる男性のグループがやってきていた。
かつ丼850円。
浅めの丼に平たく盛られたかつ丼とお味噌汁、そして漬物である。
卵のとろけるビジュアルと湯気がたまらない。半熟というよりは軽く熱を通しただけというところもあるが、シルクのように滑らかに流れる卵の幕はさすがと思わず唾が漏れてきてしまう。
お味噌汁は麩とわかめ。
漬物。
とろける卵と絡んだところを一気に頬張ると脂と旨味が一気に押し寄せてくる。サクサク加減が残る熱々のカツから熱を受けて卵が半熟模様になりさらに絡みついてくるところは、さすがかつ丼の老舗。火加減が非常に上手だ。
たれは甘じょっぱく、いい意味で東北の味を感じる。量はちょうどご飯の表面が濡れる程度。硬めに炊かれた米と甘じょっぱいたれ、半熟の卵が絡んだカツとのバランスが絶妙で美味しい。食べ進めると米の美味さがじわじわと染みてくる。
しかし美味しい。
ただただ純粋に美味しい。
普通のかつ丼でこれほど美味しいのだからこれが32℃で溶ける豚にしたら、どうなってしまうのか、想像がつかない。
しかし私にとってこの東北の味は甘く、最後のほうは卓上にあった七味を追加して食べ進める事になった。お冷もおかわりが無いと厳しい。今までの馴染んだ味で好き嫌いが分かれそうだが、これはまさしく東北で好まれる味付けだ。
私が伺ったのは9月末だが、10月からは新しく定食が登場するそうだ。消費税率が上がっても値段を据え置いてくれる企業努力が嬉しい。
東口から徒歩6分で歩いていけるが店の前に駐車場が2台あり駐輪場もあるので、なかなかに足を運びやすい。惜しむは営業時間が昼のみという点であろう。
できれば夜も開けてほしいと思うお店である。
店名:しぶき亭 東口本店
住所:仙台市宮城野区名掛丁206-17 アリビオサイ 1F
電話番号:022-353-6155
営業時間:10:30~15:00
定休日:日曜日・祝日
参考:食べログ