『良い居酒屋にはひとり客が多い』
そう語るのは、居酒屋探訪家としても著名な太田和彦氏。
今回はそんな酔い酒場を体感出来る『酔亭よっちゃん』をHANAがご紹介です。
場所は国分町。
東北最大級の繁華街であり、あらゆる呑兵衛を受け入れてくれる懐の深い街。そんな華やかな街中の路地裏に看板を掲げる『酔亭よっちゃん』は、美酒美食を提供し、食通の舌を唸らせてきた名酒場のひとつです。
場所はキュア国分町から小道に入った一番奥。佇まいから隠れ家酒場といった表現がしっくりきます。
ごめんくださいませ~と扉を引くと、親方と女将さんが優しく迎え入れてくださいます。
この日は真冬を思い出させるような鋭い寒さを感じた日。着席と同時に提供されるほっくりと暖められたおしぼりの熱が指先からじんわりと伝わり、初めて訪れた緊張感さえもほぐしてくれるようです。
何はともあれおビールを。いつの季節も、1杯目のビールはとびきり美味しい。
さてと、何をいただきましょうか?
お品書きには旬の食材が並び、眺めるだけで喉がなりますが、初手は『刺身盛合せ』を。繊細な手仕事が入った美しい一皿が届きます。
女将さんが『お塩でもどうぞ』と一緒に提供してくださいます。
これは嬉しい!!…というのも私、お酒を頂く時はあらゆる肴をお塩で頂戴するのです。烏賊に、アイナメ、蛸に塩を振り、すだちをキュッと絞って迎え入れれば、自然とお酒を追いかけたくなるというもの。
銘柄は全て親方におまかせで焼酎をお願いしました。1杯400円~という良心的な価格なので、今日も杯が進んでしまいそうです。
焼物も頂きたいところ。今日は『鰤』というオススメに沿います。魚の焼ける香りに自然と期待が高まります。目に飛び込んできたのは、身が厚く艶やかなお姿。厚さは3センチもあるでしょうか。間違いない美味しさです。パリッと焼けた皮がこれまた旨い!
今夜は女二人酒。お酒もどんどん進みます。友人は寒さに合わせて『綿屋』を熱燗で。純米らしい辛口の美味しさです。
お酒好きな友人とは、自然と選ぶ肴の足並みも揃うのが不思議なところ。大好物の『クエ』は唐揚げでと意気投合です。
『揚物には島とうがらしが合う』と、オススメしてくださいましたがこれは初体験!クエの持つ濃い旨味にツンとした辛味が相性抜群!!それにしてもクエの唐揚げってなんでこんなに美味しいんでしょう…もう一皿を欲してしまいたい逸品でした。
肴に合わせて、親方厳選の焼酎をお替わりです。
『DAIYAME』は、香り高い香熟芋を使用し、芋焼酎のはずなのに、香気は正にライチ!!芋焼酎が苦手な方でもスーッと入ってしまう不思議なお酒です。
『華奴』は無濾過蒸留直結という、蔵元だけが味わってきた出来立ての新酒。薄く白濁した色味からも稀なお酒であることを感じさせてくれます。
『芋焼酎初心者お断り』に臆することなかれ。濃厚な味わいと香りは一献の価値有り!!
日本酒は『閖yuri』を。綿屋と同じく純米酒でありながらも、こちらの方が口当たりが軽くすっきりとした印象です。『閖yuri』 は震災後、閖上の復興・蔵の再起を誓い、地元の米・地元の水・地元の藏人、そして地元の食材で造った経緯を親方から伺いながら、感慨深くいただきます。
お酒とともに、肴も進むのは親方のお料理が美味しいからこそ。『ムカゴ』は秋の風物詩。四季を感じる嬉しい小皿。
『出汁巻き玉子』は酒場の代表格。これを食べずにいられない呑兵衛は、私だけではないはずです。
ちょっと変わり種で『えの木ステーキ』も。コリコリっとした食感が楽しく、酔い肴。
揚げたての『天盛り』は熱々をハフハフと頬張るのが、愉しい美味しいご馳走です。
今宵は2人での酒盛りということもあり、沢山いただいてしまいました。
『ハマグリの酒蒸し』をじんわりと味わいながら心を落ち着かせ、ご馳走様でした。
親方の繰り出すお料理に、厳選されたお酒の数々、奥様の丁寧な接客に、カウンターに集う客人の暖かさ。総てが心地好く、必ずまた来ようと思いを馳せながら帰路に着く夜でした。
本日のお会計はお一人様7,000円ほど。お酒も肴も満たされて、この価格は良心的。
皆さんも是非、ご堪能あれ。
店名:酔亭よっちゃん
ジャンル:居酒屋、魚介料理・海鮮料理
住所:宮城県仙台市青葉区国分町2-8-31
営業時間:【月〜土】17:30~23:00(L.O.22:00)
【定休日】日曜・祝日
参考:食べログ・Retty