こんにちは。ライターのすずき・ちえです。
今回ご紹介するのは、加美町にある創業60年の老舗のお団子屋さん「あさりん」です。
仙台育ちの筆者がお店を知ったのは、今からだいぶ前になる、学生時代。加美町出身の友人から「地元にお団子とワッフルが美味しい店がある」と聞き、早速買いに行ったのがきっかけでした。
どこか懐かしくなるような、ホッとする味が好きになり、以来、車で1時間近くかけて買いに行くことも。なぜ心惹かれるのだろう、どのようなお店なのか知りたいし、記事で紹介させていただきたい!
その願いが叶い、店主の浅野隆博(あさの・たかひろ)さんにお話を伺いました。
創業60年、始まりはお団子から
「あさりん」は、加美町中新田地区の花楽小路(からくこうじ)商店街の一角にあります。昭和30年代創業の老舗で、現店主の浅野さんで3代目になります。
お団子屋さんからスタートし、現在は「お団子・たい焼き・アメリカンワッフル」が看板商品です。たい焼きは10月からの季節商品で、夏はかき氷と入れ替わります。
ここでしか食べられない!おだんごとアメリカンワッフル
取材時は初夏でたい焼きがシーズンオフだったため、お団子とアメリカンワッフルを注文しました。
お団子(1本80円)
「お店の一押し商品」と店主自ら語るのが、創業以来の味を引き継ぐ、「お団子」です。種類は、ずんだ、あんこ、ごま、しょうゆの4種類で、1本から注文できます。
うるち米を100パーセント使っている丸い形のお団子は、つるっとした食感。そこにたっぷりと餡がのっています。
ずんだ、あんこ、ごまは自家製で、営業日には早朝5時頃から、小豆や枝豆、ごまの素材から、その日の分を作っているそうです。
そして、醤油の味付けはあさりんのオリジナル。甘みがほとんどなく、しょっぱいのが特徴で子どもからの人気No.1なのだとか。
特筆すべきは、「ずんだ」。砂糖、ひとつまみの塩というシンプルな味付けで、枝豆の美味しさが引き出されているのを感じました。お客さんからの人気も高く、お店の代名詞となっているメニューです。
「あさりんのずんだを、アメリカンワッフルでも」という多くのお客さんの声から、アメリカンワッフルのずんだ味が出来たというエピソードがあるほど、愛されている味だということがうかがえます。
アメリカンワッフル(220円~)
ワッフル生地にいろいろなクリームや素材を挟んで提供される「アメリカンワッフル」。種類は、“おやつ系”が9種類、“おかず系”が2種類あります。
浅野さんによると、人気No.1は、チョコレート味と、クリーム味。それぞれホイップクリームが一緒に挟まれています。
直径10センチほどの円形の生地に具をのせて、半分に折りたたんだ形が特徴です。
出来立てを食べると、温かく、ふわふわとした食感、そしてホイップクリームのおかげでコクがあり、贅沢な気分になりました。
けっこうな大きさがあるので、全部食べるとお腹いっぱいになります。
それなのに、たった220円!
それも人気の秘訣なのでしょう。
“初めて食べるけど懐かしい、いつも食べているのに新しい味”を
あさりんには連日、地域の年配客や、仕事先へのお土産を買う営業マン、学校帰りの学生などが訪れます。
また、不祝儀の際、地域の風習で用いる団子の注文を受けるなど、地域に根ざしたお店です。
お客さんからは「子どもの頃からのなじみの味」と言われることも多いのだとか。
一方で、アメリカンワッフルの種類を増やしたり、わらび餅など新商品を製造・販売したり。またSNSを積極的に利用するなど、新たな取り組みや発信も行っています。
その甲斐あってか、通りすがりの観光客、SNSを見て来たというお客さんも増えてきたそう。
浅野さんは、「初めて食べるけど懐かしい、いつも食べているのに新しい味がモットー。先代の味を引き継ぎながら、新しい味への挑戦も続けていきたいです。ぜひ、この町に食べにいらして下さいね!」と話します。
何度か訪れていたお店でしたが、初めてお話を伺い、受け継がれてきた味を守りながら、新たな味を生み出していく姿勢が素敵なお店だと感じました。
そういえば、お店を教えてくれた友人が、「地元に帰るといつも、懐かしくなって買いに行くんだよね」と言ってたっけ。
あさりんの商品は、できる限りシンプルな材料で作られており日持ちがしないため、通信販売はしていません。お店に行かないと食べられない味です。
ぜひ、中新田のお店へ足を運んでみてはいかがでしょうか!
【店舗情報】
「あさりん」
住所:宮城県加美郡加美町字南町97-1
電話:0229-63-3261
営業時間:AM9:00~PM6:00(日曜・祝日はPM5:00まで)
定休日:毎週水曜日、第3日曜日
駐車場:あり(5台分)
HP: だんご ワッフル たい焼き | あさりん (asarindango.com)
Twitter: 🍡あさりん公式🧇(@asarindango)さん / Twitter