知る人ぞ知る日本一がある!三本木亜炭記念館に行ってみよう

おでかけ

はじめまして!
このたび、せんだいマチプラライターになった“すずき ちえ”と申します。

出かけるのが大好きで、休日はカフェや温泉、ニッチな資料館などを訪ねて宮城県内各地にドライブに行っています。長いこと住んでいる宮城県ですが、その地域の人しか知らないような穴場スポットを見つけるとワクワクします。

ここでは、気軽に行ける県内のお出かけスポットや、地元のおすすめグルメなどについて書いていきたいと思います。

レトロなオート三輪に心惹かれ…

今回は、仙台市内から車で北に向かって約1時間の、大崎市三本木に行ってきました。

国道4号線沿いの道の駅三本木やまなみに立ち寄った時、隣の建物の入り口に可愛らしいオート三輪が置いてあるのを見つけました。

レトロな車が気になり、思わず駆け寄ると、建物の前には三本木亜炭記念館の文字が。さらに車を見ると「亜炭採掘時に活躍した運搬車です」と書かれたプレートがかかっていました。

ところでみなさんは、「亜炭(あたん)」という言葉はご存知でしょうか?私はこの場所で初めて聞きました。

では、「亜炭」とは何なのか?
記念館の展示パネルや、宮城県発行の『みやぎ・仙台 日本一百選』という本の情報によると、亜炭は鉱物で、主に家庭用燃料として、明治から昭和30年代にかけて全国各地で使われていました。

三本木は、亜炭層が他の地域と比較して分厚く、良質なものが採れる地質で、仙台をはじめ各地に出荷されていました。品質の良さから「三本木亜炭」として名高く、よく売れたそうです。入り口のオート三輪は、かつて三本木で採れた亜炭を運ぶのに大活躍していたのでしょう。

ここに知られざる日本一があった!

それでは、建物の中に入ってみます。
すると、巨大な茶色い塊が目に飛び込んできて、あまりの存在感に思わず一歩後ずさりしてしまいました。

これが亜炭の塊です。燃料として使う時は細かく砕きますが、塊の状態で見ると、その大きさに圧倒されます。

大きさは幅1.8m、高さ1.9m、奥行き2.0m、重さは10t。これこそが、日本一の大きさを誇る亜炭柱なのです!

そして気になったのが「日本一の亜炭柱」の前に置かれている、怖そうな表情のお面のようなもの。
これは一体何だと思いますか?

答えは「釜神(かまがみ)様」です。

大崎市のある宮城県北部から岩手県南部にかけて見られた風習で、火伏のため、民家の台所の柱や竈の上などに、いかめしい顔つきの木彫りの面が祀られていました。現代では見かけることがほとんどなくなったようですが、大崎市の地域性を感じる光景ですね。

当時の作業の様子がわかる模型

さらに奥には展示室があります。

提供:道の駅三本木やまなみ

そこには、三本木周辺の地質の模型や、当時採掘に使われていたハンマー、つるはし、暗い坑道を照らしたカンテラやヘッドランプといった道具が展示されています。

私が印象に残ったのは、最盛期の亜炭の採掘作業中の坑内を再現した模型でした。

提供:道の駅三本木やまなみ

狭くて暗い坑道の中で、しゃがんで削岩機で採掘する人、砕かれた亜炭をスコップで掬いトロッコの荷台に積みこむ人…狭い坑道で身をかがめながら、懸命に作業する様子がうかがえます。

現代のように機械が発達していない時代の作業の大変さが伝わってきました。

戦後日本のエネルギーの発展の原点を垣間見た気がしました。

子どもから大人まで、楽しく見学できる場所

「亜炭」という言葉すら知らなかった私ですが、模型があったのでわかりやすく、楽しく見学できました。そして地元宮城県に「日本一の亜炭柱」があることを知り、嬉しくなりました。

亜炭記念館は入場無料です。私が行った時には、カメラで亜炭柱やオート三輪を撮影する年配の方や、小学生くらいの子どもを連れた家族連れなどがいました。入場料無料なので気軽に入ることができるのも嬉しいですね!

さらに隣接する「道の駅三本木やまなみ」には、地元の採れたての野菜や三本木のお菓子屋さんのクッキーなどの銘菓を販売するコーナーが!三本木にとどまらず、大崎市のお土産も揃います。

さらに隣には、地元産の野菜を使った定食や麺類が食べられる食事処があるなど、ここならではのお楽しみが盛りだくさん。ぜひ、「三本木亜炭記念館」と併せて立ち寄ってみてはいかがでしょうか。

 

施設詳細

「三本木亜炭記念館」

住所:大崎市三本木字大豆坂63-24

電話:0229-52-6232

URL:https://www.mo-kankoukousya.or.jp/publics/index/97/

営業時間:9:00~17:00

定休日:年中無休

料金:無料

 

 

*記事中に使用した一部の画像は「道の駅三本木やまなみ」より提供していただきました。