飲みの〆にラーメンを食べるかどうか。これはかなり重要な問題だと思う。
友と飲んだ帰りに酔っ払いの勢いそのままに、はしゃぎながら食べる〆ラーメン。しかし食べている最中は楽しく愉快で美味しいのだが、翌日には後悔がこみ上げる。ラーメンに罪は無い、ラーメンは美味しい。なのに何故あの帰り道にラーメン屋へ寄ったのだろうと思ってしまう。
これは〆アイスにも言えることで、何故バスキン・ロビンスに寄ってしまったのだろうと、酔いの残る頭でついつい唸ってしまうのだ。居酒屋で食べる〆ご飯や〆茶づけ、そしてデザートのシャーベットにはそんな事を思わないので、きっと移動してまで食べるという行為が関与しているのかもしれない。
――そんな旨い話があるものか、世の中はそんなに甘くない。
そう思っていたが、意外や意外、世の中は甘かった。
晩酌セット、生ビール1杯につまみが2品、〆ラーメン込みで1180円。これは夢か幻か、確かめるために東七番丁「らーめん屋・せんごく」へ私は走った。
店名:らーめん屋・せんごく
住所:仙台市若林区東七番丁172-1 B1
電話番号:022-399-9454
営業時間:11:30~14:00 17:00~24:00
定休日:土曜日・日曜日
参考:食べログ
荒町商店街の横道を入ったところの地下にお店があった。ぱっと見喫茶店のような外観をしているがきちんとらーめん屋の文字が光る。そして夢か幻かと思った晩酌セットの案内もしっかりとあった。
ラーメン屋には珍しい作りで入り口で靴を抜いであがるようだ。ラーメン屋と思うから不思議に感じるが、晩酌セットを頂く居酒屋だと思えば珍しくはない。
入って左手がカウンター、奥に4人掛けのテーブルが2つ。BGMはテレビと大音量のTHE YELLOW MONKEY。
1人なのでカウンターに座ろうと思ったら店主の男性が冷房の効きが悪いからと比較的涼しいテーブルを勧めてくれた。悪いと思ったが好意を受け取り4人テーブルを1人で占拠させていただく。
丁度私が座った席の後ろの棚に酒瓶が大量に並べられていた。これだけ見ればラーメン屋とは思わないだろう。これから晩酌セットをいただく身としては非常に期待が高まる。
晩酌セットをお願いすると、貝類が食べられるかと聞かれた。
実は私は食べられない物は少ないが、貝類ときのこ類が苦手である。それを素直に伝えると晩酌セットのおつまみを変更してくれると言う。なんと親切なのだろう。
生ビールはプレミアムモルツ。写真の泡が少し減っているのは我慢ならず口を付けてしまったからだ。きちんとしたビジュアルで注がれてくるので安心してほしい。
おつまみ1品目はなんとお造り!
一瞬ここがラーメン屋という事を忘れてしまう。それくらいにしっかりとしたお造りで、新鮮な魚は臭みも無く旨味の脂がじわりと口の中で溶けていく。量もしっかり5切!
おつまみ2品目はだだ茶豆の塩茹で。
盛りもしっかりのだだ茶豆はちょい強めの塩気がビールと合い、たまらなく美味しく手が止まらなくなってしまう。
テレビで野球を眺めながらのビールと豆、そしてお造り。これは最高に幸せな時間だ。
ぐたぐたと幸せに浸っていると店主さんがちょうど餃子の仕込みをしている最中だった。食べきれるのか若干不安だったけれど、この際なので餃子も頂戴する事にする。
なんでも青唐辛子をめいっぱい使っているそうで、辛いのが大丈夫かどうか確認してくれた。青唐辛子は好きだけれど、こちらのは結構辛いらしい。
仕込みの最中なので青唐辛子を抜いた餃子を作る事もできると提案されたが、ここは従来の青唐辛子入りの辛餃子をいただくことにする。
青唐辛子入り餃子380円。
皮から青唐辛子が透けている。ドキドキしながら一口頂戴すると。
想像以上に辛かった。
しかし青唐辛子ながらではのすっきりとした辛さで餃子の餡とのバランスが非常に良い。これもまたビールが進みそうな餃子だ。
店主さんは気さくで1人で来た私に色々と話しかけてくれた。
晩酌セットに驚いていると正直に言うと、前はここで居酒屋をやっていたと教えてくれた。
焼き鳥屋、その後に居酒屋と業種を変えながら長く営業していたのだが、元々はラーメン屋で修業をしていたそう。それで当時の常連さんにラーメン屋をやらないのかと言われ、始めたのが現在の「らーめん屋・せんごく」
ただ居酒屋時代の「お客さんに安くいっぱい食べて欲しい」という気持ちがあって、この晩酌セットがメニューになったそうだ。
〆のラーメンは旨塩らーめんか支那そばから選択できる。
支那そばは好きだけど「せんごく一押しらーめん」と書いている以上ここは旨塩らーめんをお願いする。らーめんはこちらのタイミングで作っていただけるので、そろそろと思ったら店主さんに声掛けを。
ちなみに旨塩らーめんも支那そばも800円なので、先ほどのビールとおつまみは380円でついてきた事になる。
旨塩らーめん。
磯海苔の香りがたまらなく漂う。ビジュアルも最高。
透き通ったスープは旨塩の名の如く、旨味とコクがあって飲んだ後には染み渡る。
細麺はしっかりとスープと絡んで美味しい。美味しくて先ほど食べたばかりというのに、つるつると口の中へ吸い込まれていく。
半熟の味玉が乗っているのも嬉しい♪
そして特筆すべきはこの磯海苔。非常に良い香りを、そしてスープへと風味以上の旨味を出してくれている。
そしてほろりと崩れるチャーシューは2枚。味がしっかりとついていてこれで飲むのも有りと思わせる(笑)
ラーメン単体だけでも非常に美味しくて満足できるのに晩酌セットの最強コスパ具合、それに何よりも店主さんの優しい心遣いが素敵なお店「らーめん屋・せんごく」
私が伺った数日前にタウン誌の取材があり、テレビ放送も決まったそうでこれからの混雑は必至かと。予約必須の「おまかせおばんざいコース」もあり、それもすごく気になっているので近いうちに再訪したいと思う。
地下鉄南北線の五橋駅と愛宕橋駅のちょうど中間くらいの位置にあるので、飲んだ後は酔いを醒ましながら帰るのも一興。ラーメンも美味しかったので昼時にも訪れたい。
店名:らーめん屋・せんごく
住所:仙台市若林区東七番丁172-1 B1
電話番号:022-399-9454
営業時間:11:30~14:00 17:00~24:00
定休日:土曜日・日曜日
参考:食べログ