ユーホーです。その1の三居澤不動堂の広瀬川を挟んで西側にある、鷲巣山 文殊堂-じゅそうざん もんじゅどう。ご祭神は文殊菩薩。
こちらも仙台市内の『秘境』です。
今から400年前の慶長8年癸卯(みずのとう)に、仙台藩主伊達政宗公の家臣、嶺八兵衛藤原之長秀が、政宗公より鷲巣山一帯を拝領し、開山安置したものです。
慶長8年(1603)創建とありますから、仙台開府直後ですね。
嶺八兵衛という人は、相馬の修験者で仙台に移住し伊達家家臣となったようです。
享保元年(1716)に5代藩主吉村公が改修しています。
政宗公が卯年生まれだったことから、伊達家の庇護を受け卯年生まれの守り本尊として、現代まで親しまれています。
修験者が開山したというだけあって、おどげでない場所にあります。
表参道は、R31(仙台村田線)のバス停の真ん前が登り口になっています。(奥に見える駐車スペースはここの駐車場ではないので停められません)
石段は108段で、鬱蒼とした杉木立が悠久の時を感じさせる、なかなかに趣のある参道です。
人間の煩悩の数だけきっちり108段ありました。
境内からの眺め。
巨大なうさぎのオブジェや石像などがあって、おもせ~(←面白い)
ご本堂の屋根に注目!うっかりしてると見過ごしてしまいます。(初回訪問した時は全くさっぱり少しも気付かなかった)
なんか、いる!
逆立ちしたうさぎさん。もしかして”しゃちほこ”風な?
あら、めんこい(^^♪
広い境内には、開山400年(2002)を記念して、三十三観音像が作られ、ずらりと並んでいます。
信仰厚い㈱奥田建設の奥田和男氏により、三十三観音建立の申し出を受けた石仏師の嶺岸信氏が、2年の歳月をかけて、一体ごとに滝に打たれ、精魂込めて制作に励んだということです。
一体一体に説明板があって興味深いですが、中でも目を引くのは龍に乗った龍頭観音。
カッコイイ!!
大鯉に乗った魚藍(ぎょらん)観音。
貝殻に座る蛤裏蜊(こうり)観音。
雲の上に立つ多羅観音。
真っすぐ天まで届きそうな杉木立から漏れる光で森林浴をする観音様たち。
しばし俗世から離れる気分に浸りました。
車で行くときは要注意。
車が入れるのは裏参道ですが、道路がカーブしている内側のまんなかあたりから入っていくので、とにかく見通しが悪く、しかもとんでもなく狭くて急こう配な出入り口付近。
登り切ってしまえば社務所の前に駐車場があるので、ゆっくりお参りができます。
山内には住宅があるので、住民の方は慣れてらっしゃるかもしれませんが、初めて行くときは出入りが難所です。
場所がアレだけに、正月でも人はほとんどいません。しかし、三十三観音やうさぎのオブジェなど見ごたえ十分で、コロナとは無縁の聖地として楽しめます。
車で行っても、表参道は是非歩いてみてくださいね。市内にあって『秘境感』を味わいながら、108段で煩悩を祓い、新年を迎えましょう。
鷲巣山 文殊堂 仙台市青葉区八幡6-10-18