こんにちわ、ユーホーです。
仏教では、太陽が昇る東は薬師如来の東方浄瑠璃、没する西は阿弥陀如来の極楽浄土があるとされています。
太陽が生まれ、死ぬ、を繰り返す東西のラインを輪廻転生に見立てます。
宗派や年代にもよりますが、お寺の本堂(山門)の向きは、お祀りするご本尊によって東向きか西向きかが多いようです。
浄土宗 極楽山西方寺 ごくらくざんさいほうじ
*本堂内部の撮影と記事投稿の許可を得ています。
仙台市青葉区の西側、大倉ダムの上流に位置し、「定義さん」で親しまれる定義如来の正式名称は『極楽山西方寺』といいます。
御本尊は、阿弥陀如来様の御掛け軸(秘仏)ですから、山名も寺院名もストレートですね。
仙台城下の聖山青葉山を起点とした場合、夏至の日の入りのライン上にあります。
西方寺(さいほうじ)は、宮城県仙台市青葉区大倉字上下(じょうげ)にある浄土宗の寺院。山号は極楽山。本尊は阿弥陀如来画像軸。観蓮社良念により開基された。正式名称で呼ばれることはまれで、一般に「定義如来」(じょうげ にょらい)と呼ばれる。 年間約100万人の観光客が訪れており、門前町を含む観光施設が発達している(後述)。
年間約100万人の観光客が訪れるということですが、縁結びのご利益もあることから、若いカップルにも人気の観光地となっているようです。
敷地が広大で、見所が多く、無料駐車場完備がありがたい。
門前町は食べ処や土産店が並び、三角揚げが有名です。
御廟 貞能堂(さだよしどう)旧本堂
約800年前、壇ノ浦の戦いに敗れた平家の重臣であった平貞能(たいらのさだよし)公が、源氏の追討から逃げ延び、阿弥陀如来を守りながらこの地に隠棲しました。
その際に世をはばかり名を「定義(さだよし)」と改め、この地が「定義じょうぎ」と呼ばれるようになったそうです。
つまり「さだよしさん」が音読みの「じょうぎさん」になっていったということですね。
さだよしさんが60歳で亡くなると、弟子たちは遺言通り、墓の上に茅葺の小さなお堂を建て如来様の掛け軸を安置しました。
その後貞能公の重臣の末裔である早坂源兵衛(はやさかげんべい)という人が、出家し西方寺を開山(宝永3年(1706年))しました。
山門及び本堂は、見事に真西を背にしていますから、春分秋分の日の出はまっすぐにこの山門をくぐりぬけ、阿弥陀如来様を照らし、手を合わせる向こう側(極楽浄土)に陽が沈んでいく、ということになります。
いたる所に、アゲハの紋が刻まれていますが、この家紋かっこいいですね。
堂内は出入り自由で参拝できます。
大本堂
貞能公没後800年を迎えた平成11年、境内の中央に新しく本堂が建立され、ご本尊も遷されました。
堂内は、ご祈祷や写経で使用している以外は、自由に見学ができます。
寺務所のほうにもつながっていますので、館内に飾られている絵画や展示物を拝見できます。
貞能堂が茅葺だった当時の記録も展示されています。
五重塔
昭和61年、歴代住職の懇願により建立されました。
民衆信仰と歴代住職の思いが、時代を超えて現在の西方寺の形になっていきました。
敷地内には「定義玉手箱」という資料館があり無料で見学できます。
平家ゆかりの歴史がわかりやすく解説されており、となりに隣接する茶屋で一休みできるのでおすすめです。
天皇塚
境内のはずれ(御廟の左手奥)にあります。
安徳天皇—歴代の天皇の中で最も短命。戦乱で落命。高倉天皇の第一皇子。母は平清盛の娘の徳子。
定義の縁結びの由縁がここにあります。
天皇塚の横に、定義神社、稲荷神社、熊野神社が並びます。
そして、西方寺の歴代愛犬の立派なお墓がありました。
門前町に並ぶお店の前を通ると「ナ”ァ~ゴ」と呼び止められました。
向かって左手の小屋(青いシャッターの所)に、ハチワレ御猫様が鎮座しておられました。
この子の名前は「ウッシー」で推定8歳♂。
定義では迷い猫を数匹保護してお世話をしているそうです。
普段は部屋の中で過ごし、時々こうして招き猫としてお客様をお迎えしているようです。
里親探しもしています。
猫好きとしては見逃せないオチでした。
定義の人たちが、歴史や先人の思いを大切に守り続け、動物たちへの慈悲深さまでも知ることが出来、感無量でございます。
仙台市内から車で1時間ほどで行ける距離ですが、県内の観光地の中でも、ひときわ”秘境感”を醸している聖地です。
施設詳細
〒 989-3213 仙台市青葉区大倉字上下1
Tel 022-393-2011 FAX 022-393-2013
開門時間
●大本堂境内 7:45 – 16:15
●貞能堂境内 8:00 – 16:15
●五重塔境内 8:00 – 16:15