前記事の「保護ねこカフェ もりねこ」からのつづきです。
盛岡駅前のもりねこさんから、北へ車で40分ほど走ったところの住宅地の一角に「しっぽのおうち」はありました。
老ねこケアホーム しっぽのおうち
館長の千葉俊喜氏は、2020年から2024年までもりねこスタッフとして活動し、今年3月にもりねこから独立して「しっぽのおうち」をスタートしました。
もりねこさんの、レスキューから譲渡までの活動をみてきて、実際シニアの子たちの管理の限界を知り、カフェに出られない子たちを預かるようになったのが始まり、といいます。

これまでの経緯
子供の頃から猫と暮らして、2019年に23歳の愛猫を看取ってから、その経験を活かし老病猫が最後まで幸せに暮らせる場所を作りたいと考えるようになり、動物介護の勉強を始める。
情報収集していたときもりねこの存在を知り、店長のブログを読む。
そこには保護された元気な猫たちはカフェで過ごしているが、老病猫たちの世話が厳しく受け皿もなかなか見つからず、十分なケアをしてあげるのが難しいことが描かれてあり、将来的に老病猫たちが穏やかに過ごせる場所を作りたい、という内容が描かれてあった。
幸い親族の持ち家だった古い空き家が利用できることとなり、まさに今自分がやろうとしている老猫ホームをもりねこのために作りたいと、もりねこに提案。
2020年、もりねこスタッフとして「NPO法人もりねこ老病猫ホームしっぽのおうち」稼働開始。
2024年、もともと古い建物が老朽化により修繕が必要となり、収容頭数の増加からさらにスペースも必要となる。
部屋数が限られている場所での運営を、多額な修理費をかけて進めていくべきかを考えていたとき、祖父母が猫たちのために自宅の建物の使用を勧めてくれた。
祖父母への大きな感謝とともに、広い場所を確保できる建物へと引っ越しを決断し、同時にもりねこより独立して「老ねこケアホームしっぽのおうち」のオーナーとなる。

現在は、高齢の猫や病気で特別なケアが必要な猫のための、終生飼養を目的としたケアホームを、有料で運営しています。
ご自宅の1階部分を改装し、猫たちの状態によってみっつの部屋に分かれ、計9匹の猫様たちが暮らしています。
室内は冷暖房完備で、空気清浄に配慮した空調管理をしています。
大切な家族として暮らしてきても、さまざまな事情で一緒にいられなくなってしまった時、愛情いっぱいの飼い主さんの思いを引き継いで、大切にお世話をしていく場所、それがしっぽのおうちです。

ノンキャリアの子たち6匹が暮らす部屋では、老猫ならではの可愛さ良さ、のんびりゆったりまったり感が充満していました。

しろまるくんは、初対面なのに膝の上に乗ってきて、足がしびれるまで離れませんでした。

この子はシャイな性格で、私たちがいる間はずっと静かにおこもりしてました。

この子はまだ7歳ですが、てんかんと診断され、落下や激突を避けるためケージの中にいます。

日当たりの良い部屋で自由にのびのび余生を送る猫様たち。

こちらはFIVキャリアの子2匹が暮らす部屋。
静かで清潔な環境の中、何不自由なく過ごしています。
*FIVキャリアとは、猫免疫不全ウイルス(FIV)に感染しているが、まだ発症していない状態の猫のことを指します。

シニアっこは水分補給が大事。ケージに備え付けのウォーターディッシュの他に、補水液やミルクで水分補給、デンタルケア用の飲み水も用意して、好きなものを飲んでもらいます。
猫のからだはツボがいっぱい、ブラッシングやマッサージタイムはみんな大好き、順番待ちです。

ケアルームには、長老の推定22歳(ひとでいうと104歳)三毛猫なつめちゃんがお休み中でした。
普段は家の中をスタスタ散歩しているようです。

ねこも長寿になりました。人と同じように認知症状も出てきます。
最期まで面倒を見て看取ることが飼い主の責任ですが、何らかの事情でできなくなったとき、どこに託すか、苦渋の決断、、、考えさせられます。
その受け皿として、看取りまでお願いできる場所が近くにあったら、本当にありがたいことだと思いました。
-ゆったり流れる時間の中で、のんびりおだやかに楽しい日々を過ごし、やがては訪れる最後の時に「幸せなにゃん生だった」そう思ってもらえるように、スタッフが愛情を注いで大切なご家族を、責任を持ってお世話させていただきます-~館長
スタッフは、館長とご家族の他にボランティアさんが数名出入りしているそうです。
猫たちがおだやかに暮らせるよう、生活の質を重視したケアを中心に行っており、猫達は落ち着いた環境で安心して生活することができます。
9/4現在、入居可能枠が3頭あるそうです。
クラウドファンディング 10月スタート予定
老病猫たちの医療費は、予想外に大きな金額になることもたびたびです。
猫たちに充分な医療を受けさせることができるように、医療費確保のためのクラウドファンディングが10月にスタートの予定です。
しっぽのおうちでは、活動費を捻出するために樹脂粘土やレジンで雑貨をハンドメイドし、もりねこshopで販売したり、イベントで出店しています。
売り上げはすべて猫たちのために使われています。

樹脂粘土でていねいに作られた猫雑貨がかわいらしい。
クラファンリターン用一例




とくに目を奪われたのは、ねこがしがみつくボールペン。(*茶トラはうちの猫様です)

目がオッドアイです!!
■しっぽのおうち
岩手県盛岡市以下非公開(ねこの不法遺棄防止のため)
詳しい資料請求・お問い合わせは、認定NPO法人もりねこへ ℡ 019-613-7773
日々の活動などは、ブログで配信中です。
しっぽのおうちのかんちょです https://ameblo.jp/sipponoouti/