これぞ仙台歴史ロマン★明智光秀の菩提寺「恵光院」(高野山)に泊まってみた【宮城歴史浪漫シリーズvol.30】

おでかけ

宿坊ってご存じですか?簡単に言うと「お寺に泊まる」ことなのですが、これが奥が深くておもしろいのです。

歴史的には、平安時代に天皇や宮中で熊野詣(三重県の熊野三山)が盛んなころ、宿泊場所として寺が利用されたことに始まります。

その後、鎌倉~室町にかけては武家や一般庶民へと広まり、江戸時代になると「お伊勢参り」の大ブームで、民衆の観光産業のハシリとなったといってもいいかもしれません。

しかし、明治時代になると誰しもが自由な旅行ができるようになり、全国各地の宿坊は姿を消していきました。

高野山は、仏教の聖地にして人気の観光地

弘法大師空海が眠る高野山は、現代にいたるまで高野詣での宿坊が多く継承されています。山内には117か寺、宿坊は52か寺あります。

もう8年も前になりますが、筆者は高野山の宿坊を3軒はしごしました。(←こういう人めずらしいらしい^^;)

一か所に連泊が出来ない決まりがありまして、でも二泊可能なところを見つけたので、全部で4泊、堪能させてもらいました。

今回は2泊目にお世話になった「恵光院-えこういん」をご紹介します。

千年以上の歴史を誇る恵光院は、人気ランキングでも上位に入る、明智光秀(大河ドラマ”麒麟がくる”)の菩提寺です。

コロナ禍で、大河ドラマが中断することになりそうですが、その穴埋めに「独眼竜政宗」が再放映されるらしく、それはそれで非常にありがたい。(筆者は、歴史研究に入ったのが10年前で、それ以前は全然全くさっぱり少しも歴史に興味がなく、「独眼竜政宗」もリアルタイムで見ていなかった)

高野山を訪れたのは、ほぼミーハー的興味で、当時は武将の知識も浅かった。今思えば、もったいないことをしたなと後悔するも、日本最高峰の聖地高野山の魅力は、来訪から8年経った今も色褪せることは無い。

恵光院では、無料で阿字観瞑想や写経体験ができます。日本庭園もすばらしく、建物内を散策するだけでも見どころ満載、飽きさせません。

お部屋は趣のある純和風で(宿坊によっては別館で今風の建物)、襖絵や建具の細工などが「あぁ、お寺にいるんだな~」と実感。

旅館と違うところは、平屋だから中庭に面していることです。縁側からつっかけで自由に庭へ出られるのがうれしい。

食事はもちろん「精進料理」です。お坊様が部屋へ運んでくださいます。

これは二の膳ですが、十分に満足いたしました。有名な高野豆腐と、麓で採れた野菜や山菜を使った料理が並びます。

一流の和食料理人が仕事してると思わせるほどの美味でした。

画像だと小食に見えるかもしれませんが、完食する頃は満腹で、三の膳付きにしなくて良かったと思いました。

驚いたのは、お酒が飲めることです。妙な罪悪感に苛まれながらも、ビールを数本お願いしました。(日本酒もあり〼)

お風呂は大浴場完備です。とにかく、どこもかしこもピカピカに清掃されていて、流石でございます。

恵光院宿坊公式サイト

 

奥の院ナイトツアーは有料ですが、これは絶対おもしろいのでおすすめです。

 

ふかふかの布団で就寝し、朝6時半からのお勤めに参加しました。恵光院は「護摩行」です。山内でも朝に行うのはめずらしいのだそうです。

参加は自由ですが、貴重な体験となるので是非おすすめです。

外国人が見たらSo cool!!でしょうね。ハッキリ言ってめちゃくちゃアヂーんですが、感動します。

無心で炎を見つめ煩悩を焼き払い、心のゆがみを正す、朝から心身を清められる感覚です。これは宿坊に泊まる醍醐味。

朝食も精進料理で、メインディッシュのがんもどきが、めっちゃくちゃに美味しかったです。

宿坊は、非日常を体験する旅のお宿ですから、「泊めていただく」という気持ちを忘れてはなりません。旅館やホテル気分で利用してはいけません。

しかし、現代の宿坊がここまでいたれりつくせりで、酒まで飲ませくれる…イヤ、普通の旅館と変わらぬ設備でびっくりしました。

空海が眠る奥の院参道は息をのむド迫力

奥の院は昼間に参拝できます。一の橋から御廟入り口の橋までは、20万基を超える諸大名の墓石や慰霊碑、ご神木などが両脇に立ち並び、ド迫力でせまってきます。

この巨石群をどこからどうやって運んだのだろう。

伊達政宗の墓所と明智光秀の墓所はほぼお隣さん同士でした。

高野山・壇上伽藍の中心「根本大塔」 / 恵光童子像は高野山真言宗総本山金剛峯寺の本尊で、木造不動明王坐像に随伴する八体の従者の木造八大童子立像のうちの一つ。

コロナ禍で観光客が激減し、高野山も大打撃を受けているご様子。日本人のDNAが呼び覚まされる天空の聖地で、極上のおもてなしはいかがでしょう。

参考:天空の都市高野山


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